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第2章 C型肝炎の治療 抗ウイルス療法と肝庇護療法

 C型肝炎ウイルスに感染しており、肝炎を発症している患者さんは、みなさんが治療の対象と考えています。とくに血液中のAST(GOT)、ALT(GPT)※5)が異常値の場合は治療が絶対に必要となります。AST、ALT値が高いということは、現在肝臓の細胞の破壊が強く起こっていて、慢性肝炎から肝硬変への進行が早いということになります。AST、ALTが正常値であっても、C型肝炎ウイルス陽性の場合は定期的な経過観察をする必要があります。経過観察でAST、ALTが異常高値となった場合は治療が必要です。またAST、ALTが正常値であっても血小板6)が少ない場合などは、治療が必要なこともあります。

抗ウイルス療法と肝庇護療法
 C型慢性肝炎の治療は、病気の原因であるC型肝炎ウイルスを体内から排除してウイルス感染からの治癒をめざす抗ウイルス療法(原因療法)と、肝細胞を保護して肝炎の沈静化をめざす肝庇護療法(対症療法)があります。
抗ウイルス療法
 1992年よりC型慢性肝炎に対してインターフェロン(IFN)治療が保険適応となりました。その後しばらくの間はIFN単独で治療が行われていましたが、2001年12月よりリバビリンという内服の抗ウイルス薬がIFNと併用して使用できるようになり、より高い治療効果が期待できるようになりました。その後2006年より肝硬変(代償性肝硬変で遺伝子型2型または1型で低ウイルス量の症例)にも一部のIFNが保険適応となりました。現在、最も難治性の遺伝子型1b高ウイルス量症例に対する標準治療は、ペグインターフェロン(PEG-IFN)+リバビリン併用療法48週間となっています。2011年より、新しいC型肝炎治療薬であるプロテアーゼ阻害剤を含めた3剤併用療法が認可される予定で、大幅な治療効果の向上が期待されています。C型肝炎の抗ウイルス療法は、新しい時代を迎えます。
肝庇護療法
 肝庇護療法にはさまざまなものがありますが、AST、ALTを確実に改善することが判っている薬剤として、注射薬ではグリチルリチン配合剤(強力ネオミノファーゲンC)、内服薬ではウルソデオキシコール酸(ウルソ)などがあります。これらの薬剤は肝炎の沈静化を目的としたもので、体からウイルスを排除する効果はありません。また最近、除鉄療法(瀉血、鉄制限食など)がAST、ALTの改善の目的で行われています。この治療も体からウイルスを排除する効果はありません。

 C型慢性肝炎に対する治療の選択としては、ウイルス駆除の可能性がある患者さんに対しては原因療法であるIFN療法あるいはIFNとリバビリン併用療法が第一選択と考えています。それ以外の患者さんでは肝庇護療法が中心となります。
C型肝炎治療の変遷

最終更新日:2011年09月02日

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