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ナビゲーションを使った最小侵襲人工膝関節置換術

  • 当科での人工膝関節置換

    当科での人工膝関節置換

  • 術中ナビゲーション画像

    術中ナビゲーション画像

人工膝関節置換術は手術手技が長期成績を左右します

人工膝関節置換術後の長期成績(治療後の長期的な経過)は、手術手技に左右されるといっても過言ではありません。良好な結果を得るためには、「人工関節の正確な設置」、「良好な膝関節内外側靭帯バランスの獲得」が不可欠です。
2つの要素をクリアするために、これまでも様々な手術機械の改良が行われてきましたが、ナビゲーションシステムの導入により人工膝関節置換術の精度はさらなる進歩を遂げました。



ナビゲーションシステムとは・・・

ナビゲーションシステムを使った手術は、自動車がカーナビゲーションを使用することで確実に目的地に到達できるのと同様に、患者様の骨形態をもとに術前計画通りに手術が実施されているかを手術中リアルタイムに確認することが出来ます。
当科では2009年9月からナビゲーションシステムを導入し手術を行っており良好な治療成績が得られています。
  • カーナビゲーションは複数の人工衛星からの電波を受信して

    カーナビゲーションは複数の人工衛星からの電波を受信して

  • ナビゲーション併用人工膝関節置換術

    ナビゲーション併用人工膝関節置換術では、大腿骨と脛骨(すねの骨)にアンテナを取り付け、そのアンテナに反射した赤外線を感知して骨の位置を認識します。

  • 術中ナビゲーション画面

    術中ナビゲーション画面

人工関節の設置位置や靭帯バランスを数値化して表示するため、
手術しながらリアルタイムに確認できます。

綿密な術前評価と正確な手術を可能にしたナビゲーションシステム

人工膝関節置換術は、事前に術前計画を立てて行われています。ひとりひとり異なる患者様の骨形態に最適な人工関節を選択し、適切な場所に設置する必要があるからです。ところがこれまでの手術では、術前計画が実際の手術で正確に実施されているかの判断は、術者の『勘と経験』に依存していました。
当科ではこれらに依存せず、従来法以上の手術精度にするために、術前にX線(立位・座位)、CTを撮影させて頂きます。前述したように、人工関節をうけられる患者様ひとりひとりの骨形態がかなり異なるため、他施設以上に骨の情報を収集させていただきます。これらの術前に取得した情報と術中ナビゲーションの情報を共に数値化することで、『勘と経験』ではなく客観的評価に従って手術を行っています。
術前のO脚が、術後正常膝の形態に改善されます 。
術前術後左下肢全長

術前左下肢全長 術後左下肢全長

人工関節間距離を計測し内外側靭帯バランスの評価をします。
  • 膝関節屈曲位X線撮影

    膝関節屈曲位X線撮影

  • 術後膝関節屈曲位バランス

    術後膝関節屈曲位バランス

ひとりひとり異なる患者様の骨形態を術前に確認し、手術に反映します。
術前精査のためのCT画像(左:正常膝、右変形性膝関節症末期)

術前精査のためのCT画像(左:正常膝、右変形性膝関節症末期)

人工膝関節置換術における最小侵襲手術(MIS)

人工膝関節置換術(TKA)に関連してよく登場する最小侵襲手術(minimum invasive surgery:MIS)という言葉には、現在も明確な定義はありませんが、当科では様々なアプローチ法の中でも大腿四頭筋を切らないアプローチを選択し、術後の筋力低下を最小限にする工夫をしています。
また、MIS-TKAは皮膚切開も小さい(当科では10-15cm程度)ため、従来の術式に比べ手術中に術者が得られる骨形態の情報が少なく、学会等でも人工関節設置の精度が低下するといった報告がありますが、当科では綿密な術前評価と術中ナビゲーションシステムを併用することで最小侵襲手術でありながらより正確な人工関節の設置が可能になりました。
  • 青:従来のアプローチ、黄:当科のアプローチ(大腿四頭筋を切開しません)

    青:従来のアプローチ、黄:当科のアプローチ(大腿四頭筋を切開しません)

  • 人工関節設置例
→ 人工関節の設置の仕方が悪い(画像の赤い部分に負荷がかかる)と、軟骨の代わりをするインサートと呼ばれる高密度ポリエチレンの早期磨耗や、人工関節のゆるみの原因になります。

ナビゲーションシステムを使った手術の利点

  1. 人工関節がより正確に設置できるため、長期の良好な治療成績が期待できる
  2. 良好な膝関節内外側の靭帯バランスが獲得できるため、膝関節の可動域の改善、将来的な人工関節のゆるみの減少が期待できる
  3. 従来法で使用していた手術機械を使用しないため、術後出血量が減少(輸血の回避)し、術後合併症のひとつである深部静脈血栓(DVT)発生率が低下する
人工膝関節(全置換型)
人工膝関節(全置換型)

人工膝関節(全置換型)

適応:変形性膝関節症末期、リウマチ性膝関節症
人工膝関節(部分置換型)
人工膝関節(部分置換型)

人工膝関節(部分置換型)

適応:変形性膝関節症進行期~末期、大腿骨内側顆骨壊死

 (文責 下肢関節外科専門医 寺島尚志)

最終更新日:2011年05月29日

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