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小児科

北海道厚生連では、専門医研修課程と総合医研修課程の2本立てで、研修医制度の充実を計画しております。旭川厚生病院の小児科・NICUでは、豊富な指導スタッフと症例数を活かした後期研修プログラムを用意しております。
特に、一般小児科医として、小児の生理および一般的疾患の病態を理解し、検査・治療方針をたてて、実施するための知識・技術の習得をすること、小児の救急事態に初期治療が適切に行えること、特殊な疾患については、診断をして適切な医療機関に紹介できるようになることを、第一の目標として掲げております。
卒後2年目までの初期研修を終えた医師に対して、3年間を単位としたプログラムを作成しました。小児科の場合は、5年間の研修を終えると専門医の試験を受けることができます。卒業と同時に小児科学会に入会いただくと、初期研修の2年間も小児科の研修期間の中に含まれますので、初期・後期合わせて5年間の研修を終えると、小児科専門医の試験を受けることができます。

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小児科後期研修について

一般小児科医として、以下の項目を身につけることを目標とする。
  1. 小児の生理および一般的疾患の病態を理解し、検査・治療方針をたて、実施できるための知識・技術の習得をすること。
  2. 小児の救急事態に初期治療が適切に行えること。
  3. 特殊な疾患については、診断を行い、相応しい医療機関に紹介できること。

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後期研修方法

以下の目標を後期研修1年目(卒後3年目)では指導医とともに、2年目(卒後4年目)では自らが担当医として実際に診療して身につける。

プライマリーケア

  1. 以下に掲げる小児の主要な症状に対して鑑別診断を行い、なおかつ適切な処置を行うことができる。
    • 発熱
    • 咳嗽
    • 喘鳴
    • 腹痛
    • 嘔吐
    • 下痢
    • 出血傾向
  2. 以下に掲げる小児の救急事態に、適切な処置を行うことができる。
    • 心肺停止
    • 窒息
    • 痙攣
    • 意識障害
    • 異物誤飲
    • 喘息発作
    • 腸重積
    • 脱水
    • ショック
  3. 健康な小児の発達を理解し、以下に掲げる症状に対して保護者やコメディカルに適切な助言と対応ができる。
    • 体重増加不良
    • 哺乳不良
    • 運動発達の遅れ
    • 言語発達の遅れ
    • 低身長
    • 肥満
  4. 以下に掲げる感染症に対して、院内・地域内汗腺やワクチンなどの適切な予防策を実施できる。
    • MRSA、VRE、緑膿菌
    • インフルエンザ
    • 水痘、麻疹、風疹、流行性耳下腺炎
    • SARS
    • ベロ毒素産生性病原性大腸菌感染症
  5. 以下に掲げる技術を取得する。
    • 末梢静脈採血
    • 足底採血
    • 動脈血採血
    • 末梢血管確保による輸液
    • 中心静脈確保による輸液
    • 腰椎穿刺
    • 骨髄穿刺
    • 気管内挿管
    • 胸腔穿刺

疾患

「対応できる」とは、初期治療を適切に実施し、必要に応じて疾患に相応しい他施設への紹介・搬送ができることを意味する。
感染症
  • 以下に掲げる疾患に対して病態を理解し、適切な診断・治療を行うことができる
    • 麻疹
    • 風疹
    • 水痘
    • 流行性耳下腺炎
    • 突発性発疹症
    • 伝染性紅斑
    • 手足口病
    • ヘルパンギーナ
    • ヘルペス感染症
    • 溶連菌感染症
    • 百日咳
    • 急性上気道炎
    • 中耳炎
    • 気管支炎
    • 肺炎
    • 尿路感染症
    • 胃腸炎
    • 膿痂疹
    • 黄色ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
  • 細菌性髄膜炎に対応できる
  • 脳炎(脳症)に対応できる
新生児・低出生体重児
  • 新生児仮死の蘇生ができる
  • 正常新生児を含め、低出生体重児、早産低出生体重児の栄養・水分の管理ができる
  • 呼吸障害の診断、治療ができる
  • 黄疸の原因の鑑別ができ、適切な治療を行うことができる
  • 新生児感染症の臨床症状と診断・治療ができる
  • 呼吸障害の診断ができる
  • 超低出生体重児に対応できる
循環器疾患
  • 基本的な視診、聴診、触診ができる
  • 診断に必要な血液検査、胸部X線、心電図、心エコー検査などを用いて、患者から情報を得る技術を習得し、診断する能力を養成する
  • 先天性心疾患の血行動態を理解し、治療・管理を行うことができる
  • 心不全の管理ができる
  • 低酸素発作およびチアノーゼに適切な処置ができる
  • ショックに対応できる
  • 緊急に治療を要する不整脈を判断できる
神経・筋疾患
  • 子どもの健康な発達を、個人差を考慮に入れて評価できる
  • 診断に必要な検査・血液検査・髄液検査・脳波頭部CT、MRIなどの画像、筋電図を用いて、適切に患者から情報を得る技術を習得し、診断する能力を養成する
  • 熱性痙攣、てんかん、脳性まひの病態・治療・管理を習得する
  • 痙攣重積状態に対応できる
  • 新生児、乳幼児であっても意識レベルを評価できる
  • 小奇形を診断することができ、想定される疾患の診断の進め方を習得する
消化器疾患
  • 診断に必要な診察・血液検査・腹部XP・消化管透視・腹部エコー検査などを用いて、患者から情報を得る技術を習得し、診断する能力を養成する
  • 急性肝炎、急性膵炎の病態・治療・管理を習得する
  • 腸重積を診断し、整復することができる
血液疾患・悪性腫瘍
  • 診断に必要な診察・血液検査・骨髄穿刺・CTおよびMRIなどの画像検査を用いて、適切に患者から情報を得る技術を習得し、診断する能力を養成する
  • 貧血・突発性血小板減少性紫斑病の病態・治療・管理を習得する
  • DICに対応できる
  • 白血病・悪性腫瘍に対応できる
腎疾患
  • 診断に必要な診察・血液検査・尿検査・腎機能検査・腹部XPやCT、MRIなどの画像検査・腎エコー検査などを用いて、適切に患者から情報を得る技術を習得し、診断する能力を養成する
  • 急性腎炎・ネフローゼ症候群、慢性腎炎の病態治療・管理を習得する
  • 急性腎不全に対応できる 
アレルギー疾患
  • 診断に必要な診察・血液検査・呼吸機能検査・胸部X線などの画像・皮内テストなどを用いて、適切に患者から情報を得る技術を習得し、診断する能力を養成する
  • 気管支喘息・アトピー性皮膚炎・蕁麻疹・鼻アレルギー・食物アレルギーの病態・治療・管理を習得する
  • 気管支喘息の発作の程度を的確に判断し、大発作でも対応できる
内分泌・代謝疾患
  • 診断に必要な診察・血液検査・尿検査・内分泌負荷試験・頭部X線、MRIなどの画像を用いて、適切に患者から情報を得る技術を習得し、診断する能力を養成する
  • 身長・体重・頭囲・胸囲を正しく計測し、成長曲線から異常を判断できる
  • 甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症・成長ホルモン分泌不全性低身長・糖尿病・先天性代謝異常の病態・治療・管理を習得する
  • 糖尿病性昏睡に対応できる
  • 新生児マススクリーニングの対象となる疾患を理解し、陽性となった場合の対応ができる

小児科・NICUの具体的プログラム

小児科・NICUの初期(2年間)・後期研修(3年間)
  4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
1年目 内科系 内科系 外科系 外科系
2年目 産婦人科 精神科 小児科 地域医療 選択 選択
3年目 小児科 NICU 小児科・NICU
4年目 小児科・NICU
5年目 旭川厚生病院で小児科かNICUの専任となり、かつ外来診療も行える。
また、血液・悪性腫瘍、小児内分泌疾患、小児科学的な研究を希望する場合は、旭川医科大学小児科で、研修を行うことが可能である。

小児科の指導体制について

小児科の研修医は、小児科専門医が責任者および専門医取得予定小児科医、上級研修医が指導する。
1〜2年目
  • 通常の初期研修医として旭川厚生病院のローテーションで研修する。
3年目
  • 前半の6ヶ月間は、3か月ずつ小児科とNICUを回り、診察方法や基礎的な技術を学ぶことを主体とする。
  • 小児科医として最低限身につけなければいけない技術・知識を習得する。
  • 後半は、指導医とともに入院患者の担当医となり、診療に当たる。
  • 小児科の当直業務も指導医のもとに行う。
4年目
  • 1年を通して小児科・NICUで研修を継続し、3年目までに経験しなかったような疾患を中心に、多彩かつ重篤な疾患を責任を持って経験する。
  • 上級医として、2年目、3年目の研修医に対して助言を行う。
  • NICUの当直業務も、指導医のもとに行う。
5年目
  • NICUまたは小児科のどちらかを中心に研修を行う。
  • 外来業務も担当できることを目標とする。
  • また、当院で経験できないような慢性疾患の診療や小児科の基礎研究への取り組みを希望するものは、旭川医科大学小児科で研修を行うことが可能である。

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疾患担当医資格

疾患 担当医 資格
神経・精神・発達 沖 潤一 日本小児神経学会認定医
日本てんかん学会認定医
感染症 坂田 宏 日本感染症学会専門医
インフェクションコントロールドクター
新生児 白井 勝 日本周産期・新生児学会
周産期新生児専門医(認定医)
循環器・救急 梶野 真弓 PALS受講者(指導者資格取得)

最終更新日:2011年05月26日