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高気圧酸素治療業務

高気圧酸素治療業務

 令和3年5月から治療を開始しました。

当院の高気圧酸素治療装置

第1種(一人用)高気圧酸素治療装置Model2800HJ(セクリスト社製) 
当院の高圧酸素治療室

当院の高圧酸素治療室

本体の胴体部分は透明なアクリル樹脂製のため比較的解放感があり、治療中は装置の上部に設置したテレビを観ることができます。

高気圧酸素治療について

治療には通常約1時間20分を要します。開始後約10分間かけて加圧しますが、加圧中は耳抜きを行って圧力の変化に対応して頂く必要があります。
加圧が完了した後は1時間かけて治療を行いますが、治療中は高い圧力を感じることはなく、リラックスした状態で過ごすことができます。治療終了後は再び10分間で大気圧まで減圧しますが、加圧時のような耳抜きの努力は必要ありません。

※耳抜き:耳と鼻をつないでいる耳管という管に空気を通すことで鼓膜内外の圧差を解消すること。つばを貯めて飲む、鼻をつまんで適度に力むなどの方法があります。

 

高気圧酸素治療の効果

高気圧酸素治療は、大気圧より高い気圧の中で大量の酸素を吸入することにより病態の改善を図る治療です。体内に取り込まれた大量の酸素は体のすみずみまで行き渡り、酸素欠乏に陥った組織の改善を図ることで血管の新生や組織の修復などを促進します。また、高気圧環境下における気体の圧縮作用による効果も認められています。 
主な効果
・大量の酸素供給により血管の再生を促し創傷(きず)の治癒を促進させる効果
・酸素の抗菌作用を利用して細菌の発育を防ぐ効果
・生体内に貯まった不要な気体を圧縮・溶解させて障害を取り除く効果
・浮腫(むくみ)を軽減させる効果
 

適応疾患

高気圧酸素治療は、以下のようにさまざまな疾患に適応されています。
治療は通常1日1回行い、適応となる疾患ごとに最大で7回から30回まで行う事が可能ですが、担当医が患者様の疾患や症状などを勘案して治療回数を決定します。

・減圧症または空気塞栓症
・急性一酸化炭素中毒などのガス中毒
・ガス壊疽、壊死性筋膜炎
・重症の頭部外傷や開頭術による意識障害または脳浮腫
・頭蓋内膿瘍・脳梗塞・重症の低酸素脳症
・末梢血管障害
・重症の熱傷又は凍傷
・コンパートメント症候群又は圧挫症候群
・腸閉塞
・網膜動脈閉塞症
・突発性難聴
・放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
・皮膚移植
・脊髄神経疾患
・骨髄炎又は放射線障害
 

当院における高気圧酸素治療の特徴

当院において高気圧酸素治療を開始して以来、多くの診療から依頼を受けていますが、特に心臓血管外科からの依頼による治療が半数以上を占めています。
当院の心臓血管外科では下肢の動脈が狭窄や閉塞して重症化した患者さまに対し、膝より下の自家血管を利用したバイパス術などを行うことで、下肢の切断を回避する下肢救済治療を行っています。
高気圧酸素治療は術後の早期治癒を目的として活用され、効果を上げています。
 

当院で高圧酸素治療を受けるには

患者さまの疾患を扱う診療科を受診して頂き、主治医が高気圧酸素治療の適応と判断した場合に治療を受けることができます。
連日の治療となるため基本的には入院して治療を受けて頂くことになりますが、外来通院で治療を受けることも可能です。
 

安全に治療を行うために

高気圧酸素治療装置の内部は高濃度の酸素が高い気圧で充満するため、カイロなどの火気を持ち込むと重大な事故につながりますので絶対に持ち込まないでください。その他にも治療中に危険を及ぼす可能性のある着用品については全て取り外して頂きます。
治療の際は静電気の発生による事故を防ぐため、あらかじめ綿100%製の下着の着用をお願いします。また、治療の際は帯電防止加工が施された専用の治療衣に着替えて頂きます。
患者さまが安全に治療を受けて頂くため、治療前に複数のスタッフで持ち物や衣類等のチェックを行ないますので、ご協力をお願いします。
 

治療装置の点検

高気圧酸素治療装置を安全に使用するため、臨床工学技士が治療前および治療終了後に行う日常点検と、メーカーによる年1回の点検・整備を行うことで装置の安全性を確保しています。 

最終更新日:2022年01月22日

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