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PET検査Q&A

質問PET検診とは?

回答

PET検査とは、見た目はエックス線CTのようなPET装置を使用し、放射性物質を含むPET検査用の医薬品を静脈注射し、心臓や脳など体のいろいろなところに集まる様子を撮影・断層画像化し病気の原因や病状を診断する検査法です。

特にがん細胞は正常な細胞よりもエネルギー代謝が活発で、正常細胞に比べて3倍~20倍のブドウ糖を消費するとされています。当院で行っているPET検査医薬品とは、放射性フッ素(18F)を付けたブドウ糖類似物質(FDG)で、これを投与すると正常細胞に比べて、がん細胞には大量に取り込まれ、撮像することで位置、大きさなどを検出します。PET検査の利点は、一度の検査で全身を検索することができ、使用する薬剤はごく微量で体内にもともと存在している物質のため副作用は非常に少ない※1などがあります。このため検診利用として、がんの早期発見の手段としてご提案しています。

しかし、従来のPET装置ではMRI・CT検査と比べて画像が不鮮明であるという弱点がありましたが、2022年12月より当院のPET-CTは最新の装置へ更新され、これまでのPET-CT装置とは、比べ物にならないほど鮮明な画像になりました。

 

※1 使用成績調査及び特定使用成績調査の合計1291例中 2例(0.2%)に副作用が認められた

質問なぜ血糖値を測るのですか?

回答

PET検査は、上記の通り、がん細胞が正常細胞より糖分をたくさん消費することを利用して検査を行っています。しかし、体内にたくさんの糖分(血中のブドウ糖量=血糖値)があると、がん細胞へのPET検査医薬品の取り込みが少なくなってしまい、さらに正常組織へも多く放射性医薬品が集まってしまいます。このため、もしがんがあっても見つけることが難しくなってしまいます。つまりは血糖値が高いと十分な検査ができないため、直前に血糖値をチェックしています。


質問がんのPET検査では何がわかるのですか?

回答

がん細胞は正常の細胞よりも分裂が多いため、糖分(グルコース)が必要になります。そのため18F-FDG(フルオロデオキシグルコース)という薬剤を静脈から注射すると、がんの病巣にたくさん集まります。その様子を、PET装置で身体の外から撮影すると、がんがどこにあるのか、その大きさはどのくらいかがわかります。PET検査で正確な診断ができると治療法や治療範囲を決めるのに大変役立ちます。特に予想外の病巣を見つけることで、治療範囲を正しく決めることができます。

質問検査前の注意事項は?

回答

糖の代謝を正しく診断するためには、検査前6時間以上絶食をしていただく必要があります。水や砂糖なしのお茶は飲んでもよいのですが、甘いものは絶対避けてください。ノンシュガーの飲料においても、急激な血糖値の上昇はないとされていますが、血糖値には若干影響はありますので、控えていただきます。

PET検査医薬品を注射してから撮影までのあいだは、できるだけ安静にしていてください。筋肉を使うと所見が筋肉に現れます。注射後に1時間おしゃべりをすると正常でも喉の筋肉や、読書をすると目の筋肉に所見が現れ、特にがんの診断のときには診断が難しくなる場合もあります。注射後は必要以上にあまり動かずリラックスした状態でお待ち下さい。検査の直前には、膀胱内にある注射医薬品の代謝物を排出するため、排尿をしていただきます。

質問PET検査でわかるがんは?

回答

18F-FDGのPET検査は、ほとんどのがんの診療に有用です。肺がんや大腸がん、食道がん、膵がんなどの消化器系のがん、子宮がん、卵巣がんなどの婦人科系のがんや甲状腺がん、乳がん、悪性リンパ腫や骨腫瘍、悪性黒色腫などの診断にも役立つという報告がなされています。


質問転移したがんは?

回答

この検査はがんの転移をみつけるのに大変役立ちます。がんは、転移の有無によっては治療法が変わりますので、この検査は有用です。例えば、直腸がんでは、原発巣が膀胱と重なりよく分からないことがありますが、膀胱と離れた骨に転移すると膀胱と重ならないのでPET検査でよくわかります。


質問PET検査が不得手なのは?

回答

PET検査は、すべてのがんで役立つわけではありません。使用する検査薬剤は腎臓から尿として排泄されます。したがって、腎臓や膀胱にがんがあってもよく分かりません。肝臓がん、胃がん、前立腺がんは超音波検査や内視鏡検査などの方が、PET検査より有用なことが多いようです。PET検査に適しているがんと適していないがんがあります。得意ながんとしては、肺がんや大腸がん、食道がん、膵がんなどの消化器系のがん、子宮がん、卵巣がんなどの婦人科系のがんや頭頚部のがん(甲状腺がんなど)、乳がん、悪性リンパ腫や骨腫瘍、悪性黒色腫が上げられます。


質問PET検査はがんの早期発見に役立つか?

回答
大変役立ちます。しかし、すべてのがんがPET検査でのみ早期発見できるわけではありません。PET検査で見つかるがんもありますし、超音波検査やX線CT検査、内視鏡検査、その他の検査法が有用ながんもあります。PET検査は万能ではありません。これまでの検査法と組み合わせることが必要です。

質問PET検査は腫瘍の良性か悪性かの診断に役立つか?

回答
悪性の腫瘍では18F-FDGの取り込みが多く、良性の腫瘍では18F-FDGの取り込みが低いようです。腫瘍への18F-FDGの取り込みの程度で腫瘍の性質を診断しますが、すべての腫瘍で悪性か良性かが明確に鑑別されるわけではありません。

 

質問PET検査の被ばく量はどれくらいですか?影響はあるのですか?

回答
当院の装置はPET-CT装置です。PET検査にCT像を組み合わせて診断に用います。したがってPET検査医薬品からの放射線と、CT装置からのX線の2つの放射線による被ばくがあります。放射性フッ素(18F)で印を付けたブドウ糖(FDG)という薬剤を注射してPET検査を1回受けますと、およそ7.4 mSv(ミリシーベルト)になります。ちなみに、我々は自然から常に放射線を受けており、その量は毎年、平均で2.0 mSvになります。国際放射線防護委員会では、1,000 mSvを全身に浴びた人が100人いたとすると、がんになる人はそのうち5人ぐらいであると仮定しています。しかし原爆データを調べると、200 mSv以下では有意な発がんのリスクの上昇は認められていません。つまりこの程度の量では、急性の放射線障害が起きる可能性は一切ありません。また、将来のがんの発生などを心配されているとすれば、その可能性も心配する必要はありません。

質問PET検査は健康保険で受けることができるのですか?

回答

現在では、健康保険を適用できるPET検査は、「15O標識ガス剤を用いた場合」と「18F-FDGを用いた場合」「13N標識アンモニア剤を用いた場合」の3種類です。18F-FDGを用いた場合には、てんかん、虚血性心疾患、悪性腫瘍(早期胃がんを除き、悪性リンパ腫を含む)、血管炎の診断を目的として、一定の要件を満たす場合に保険適用できることになっています。


最終更新日:2023年05月15日

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