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子宮頚がんワクチン・HPVワクチン外来

子宮頚がんとHPV

子宮の入り口付近にできるがんを子宮頚がんと呼びます。子宮頚がんに罹患した場合は、ごく初期を除いて子宮や子宮の周辺臓器を摘出することになります。当然妊娠や出産は不可能になり、大規模手術(広汎子宮全摘術・リンパ郭清術等)が必要な場合には摘出できても排尿障害やリンパ浮腫などの後遺症が出ることもあります。また悪性腫瘍である以上生命そのものが危険になる場合もあります。最近は若年者の患者さんが急増していることも報告されています。
子宮頚がんはほぼ100%近くHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因であることが明らかになっています。HPVはどこにでもいるありふれたウイルスで、濃厚な接触(子宮頸部の場合は主に性交渉)で感染します。日本でも性交渉の経験がある女性では少なくとも一生に一度は感染すると推測されています。ほとんどの場合は比較的短期間に感染が消滅するとされています(持続感染した場合だけががんの原因となると考えられています。)し、HPVのなかでも特定のもの(高リスクHPV、13種類)以外はがんの原因にはなりません。高リスクHPVが持続感染した場合は細胞が変化して子宮頚がんに進展する可能性がありますので、その意味ではほとんどの全世代の成人女性が子宮頚がんに罹患する可能性を持っているわけです。

子宮頚がんワクチン(HPV感染予防ワクチン)
従来子宮頸がんには、定期的ながん検診による早期発見以外に有効な手段がないとされてきました。2009年にHPV感染予防ワクチンが製造承認されるとその高い予防効果から、積極的勧奨とされました。
しかしワクチンと因果関係が否定できない持続的な疼痛が特異的にみられたという報告がなされ、副反応の発生頻度等が明らかになり適切な情報提供ができるまでの間、この積極的勧奨が中断されました(2013年)。その後専門機関による慎重な検討が継続的に行われ、最新の知見も踏まえると、改めてHPVワクチンの安全性に特段の懸念がないこと、有効性が副反応のリスクを明らかに上回ることが認められたため、2021/11に積極的勧奨中止の廃止が決定しました。
2022/4から積極的勧奨が再開されます。

定期接種の対象は12歳になる日の属する年度の初日~16歳になる日の属する年度の末日までの女子(一般的には小学校6年生~高校1年生が相当します。)
また積極的勧奨中断期間に接種できなかった年齢の女性に対し、キャッチアップの対象とすることが決定しています。具体的には1997/4~2006/3に生まれた女性です。
キャッチアップの特例接種期間は2022/4~2025/3までとなります。


現在市販されているワクチンは2価(サーバリックス、HPV16・18に対応)、4価(ガーダシル、HPV16・18、6・11(尖圭コンジローマ)に対応)、9価(シルガード9、HPV6・11・16・18・31・33・45・52・58に対応)の3種類です。
現在のところサーバリックスやガーダシルは定期接種として公費対象です。シルガード9については定期接種に組み入れられるのかは厚生労働省で検討中です。

HPVワクチン外来 完全予約制

札幌厚生病院でもHPVワクチン接種に関し事前の詳細な説明や接種後の副反応の管理は必須と考えます。お一人ずつの説明に時間を要すると考えますので、一般診療枠ではなく専門外来を開設しています。
ご希望(保護者)の方は当院婦人科外来まで事前にお電話でお問い合わせください。
2021から男性にもワクチン接種が承認されていますが、婦人科という性格上、男性の接種については対象外とさせていただきます。

最終更新日:2022年04月01日

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